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【現場監督必見】工事現場に設置する「Webカメラ」の選び方と活用術 Diary755

「カメラで見てるから安心」── それ、本当に安心ですか?

最近、工事現場でWebカメラ(現場カメラ)の設置が当たり前になりつつあります。
特に北海道のような広大で管理範囲の広い現場では、「離れた場所でも状況が分かる」「不審者・事故の早期発見ができる」といった理由で導入が進んでいます。

しかし、「とりあえず置いてあるだけ」では意味がありません。
目的に合ったカメラを選び、正しく運用してこそ、本当に“使える道具”になる。

この記事では、現場代理人の視点から、Webカメラの実務的な活用方法と選び方のポイントを解説します。


🎯 Webカメラの目的は?ただの監視じゃない!

主な活用目的 解説
進捗管理 離れた場所からでも作業状況をリアルタイムで確認。内業時間の短縮にも効果あり。
②安全監視 ヘルメット・反射ベスト未着用、立入禁止区域の侵入などをAIで検知できる製品も。
③記録保存 映像を残しておけば、事故・クレーム時の「事実確認」に使える。
④遠隔立会 発注者・設計監理者のリモート立会いで移動時間を削減。
⑤災害・異常監視 大雨後の法面確認や、冬期の吹きだまり・水位監視など。特に北海道では重要。

🧰 現場で使われるWebカメラの種類

カメラタイプ 特徴 用途に合う現場
固定式カメラ 設置が簡単。安価。広域監視には向かない 小規模・短期現場
PTZカメラ(パン・チルト・ズーム) 遠隔操作でカメラ向きを変更可能 広い現場、複数箇所を確認したいとき
太陽光パネル一体型 電源不要。通信もLTE内蔵型あり 山間部や仮設現場向け
タイムラプスカメ 定点撮影で後から動画化。記録・広報に◎ 長期工事・竣工記録用
AI監視カメラ 作業員検知・装備の未着用アラート 安全管理重視の現場

📋 導入時のチェックリスト(現場代理人目線)

  • [ ] 設置目的は明確か(進捗?安全?記録?)
  • [ ] 電源の確保は可能か?(AC?太陽光?)
  • [ ] 通信手段は安定しているか?(LTE/5G/Wi-Fi
  • [ ] 視野角・ズーム性能は足りているか?
  • [ ] 夜間対応(赤外線ナイトモード)はあるか?
  • [ ] データ保存方法(クラウド?SDカード?)は管理しやすいか?
  • [ ] 作業員のプライバシー配慮は行っているか?(表示・説明・記録)

⚠️ よくあるトラブルとその対策

事例 問題 対策
夜間に真っ暗で映らない 赤外線非対応カメラ 赤外線対応モデルを選定
録画データが飛んだ SDカード容量不足 クラウド保存 + ローカルバックアップ
作業員がカメラを避けて作業 プライバシーへの配慮不足 事前説明と「監視目的ではない」と明示
強風でカメラが倒れる 設置方法が不安定 三脚ではなく固定ポール式に変更
通信が不安定で映像が止まる 山間部・圏外エリア 録画機能付き or ローカル保存併用

🔍 現場で人気のメーカー・サービス(2025年版)

メーカー・サービス 特徴
Safie(セーフィー) クラウド録画+スマホで確認可。建設業界の導入多数。
SiteEye(サイトアイ) 太陽光一体型カメラで電源不要。月額プランあり。
ミドリ安全 / TOA 固定式や屋外用に強い。防塵防水◎
AMY / AI-Buddy AIによる作業員検知や人数カウントが可能。
大手通信キャリア系(ドコモ・KDDIなど) LTE通信内蔵。サブスク運用がしやすい。

💡 運用Tips:カメラは“撮る”だけじゃない!

  • 朝礼時に「今日の作業範囲」を映して確認用に使う
  • 危険作業の映像を保存して、安全教育資料として活用
  • 進捗記録をタイムラプスにして、竣工パンフやSNS投稿に
  • 月例報告書に「映像リンク」付き資料を添付する事例も増加中

✅ まとめ:「設置してるだけ」の時代は終わった

Webカメラは、現場の信頼性と安全性を“見える化”するツールです。
重要なのは「どこに、何のために、どう使うか」。
設置するだけで終わらせず、運用方法まで含めて設計するのが現場代理人の腕の見せどころです。