
工事を落札すると、まず感じるのは達成感です。
「よし、決まった」
その瞬間はうれしいものですが、現場代理人として本当の勝負はそこから始まります。
特にこの時期。
契約前後にゴールデンウィークを挟む場合は、時間の流れが想像以上に速いです。
気づけば5月後半。
「まだ準備できていない」が一番危険なパターンになります。
だからこそ、今週やるべきことは明確です。
施工計画書と実行予算書の作成を先に進めること。
今回は、なぜこれが重要なのかを、現場代理人の視点で整理してみます。
契約後は“想像以上に忙しい”
契約が終わると、一気に業務が押し寄せます。
例えば、
- 発注者との初回打合せ
- 着手前の現地確認
- 協力会社との工程調整
- 重機や資材の手配
- 安全書類の準備
- 下請負人の選定
- 工程全体の再調整
など、同時進行で進みます。
このタイミングで施工計画書をゼロから作ろうとすると、かなり厳しい。
だからこそ、
“契約前の今”が一番大事
なんです。
まずやるべきは設計図書の再確認
施工計画書を書く前に、まず確認すべきなのは設計図書です。
ここがズレると、その後すべてがズレます。
特に確認したいのは、
- 数量・施工範囲
- 工期と制約条件
- 段階確認・立会項目
- 品質管理基準
- 出来形管理基準
- 仮設条件
- NETIS活用指定の有無
- 週休2日・ICT・遠隔臨場の対象
- 提出書類一覧
この時点で、
どこで評価点を上げられるか
も整理しておくと後がかなり楽になります。
施工計画書は“箱”から作る
施工計画書を作るとき、最初から文章を書こうとすると進みません。
おすすめは、
章立てだけ先に作ること。
たとえば、
- 工事概要
- 施工方針
- 施工方法
- 工程計画
- 品質管理
- 出来形管理
- 安全管理
- 環境対策
- 緊急時対応
- 写真管理
- 下請管理
- 仮設計画
- 使用機械一覧
まずはこの“箱”を作る。
そこから中身を埋めていく方が圧倒的に早いです。
実行予算書は“利益を守る設計図”
施工計画書と並行して進めたいのが実行予算書です。
ここで大切なのは、
最初から100点を目指さないこと。
まずは全体を掴む。
- 直営労務
- 重機損料
- 外注費
- 資材費
- 仮設費
- 安全費
- ICT関連費
- 写真管理費
- 現場管理費
- 予備費
この中で、
「どこで利益を確保するか」
を先に見ます。
実行予算書は、数字合わせではありません。
赤字を防ぐための設計図
です。
協力会社への声掛けはGW前が勝負
ここは本当に重要です。
ゴールデンウィーク明けは、どの業者さんも一気に動き出します。
特に
- 土工
- 排水工
- 法面工
- 運搬関係
- 仮設関係
このあたりは早い者勝ちになることも珍しくありません。
「まだ正式契約前だから」
ではなく、
まずは事前打診。
これが現場を救います。
施工計画書は提出書類じゃない
現場代理人として強く思うのはここです。
施工計画書は
提出するための書類
ではありません。
現場を勝たせるための設計図
です。
同じように、
実行予算書は
数字を合わせるため
ではなく、
利益を守るため
のものです。
この意識があるかどうかで、現場運営は大きく変わります。
最後に、自分だけの“勝ち筋”を書く
おすすめしたいのが、
A4一枚で
この現場で勝つためのポイント
を書くこと。
例えば、
- 最大リスクは何か
- 最大利益ポイントはどこか
- 評価点を上げる要素は何か
- 発注者が重視している点は何か
- 現場の弱点はどこか
- 前年度の反省をどう活かすか
これを整理するだけで、現場の軸ができます。
まとめ
落札はゴールではありません。
むしろ、
スタートライン
です。
そして、そのスタートを決めるのが
施工計画書と実行予算書。
ここを早く、正確に、戦略的に動けるか。
それが現場の一年を決めます。
GW前の一週間。
この時間の使い方が、最後に大きな差になります。
現場代理人にとって、本当の勝負はここからです。