建設会社で働いている平凡な会社員

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「比例なのに比例していない」 ── 今回の衆院選で露呈した選挙制度の限界 Diary963

今回の衆議院議員総選挙
結果を見て、こんな違和感を覚えた人は少なくないはずです。

自民党に投票したのに、
なぜ別の党の議席が増えているのか?」

これは感情論ではありません。
制度設計そのものの問題です。


比例代表なのに、なぜ選挙区が絡むのか

比例代表と聞けば、多くの人はこう理解しています。

  • 政党に投票する
  • 得票割合に応じて、その党の議席が増える

極めてシンプルです。

しかし日本の衆院選比例代表は違います。

  • 全国比例ではなく「ブロック比例」
  • 小選挙区との重複立候補
  • 惜敗率による当選順位決定

つまり、

有権者が投票時に意識していない要素が
当落を左右している

これが、直感と結果がズレる最大の原因です。


ニュースになった「比例の取りこぼし」

今回、実際に報道されたのがこの現象です。

  • 自民党は比例で本来もっと議席を取れる票を得ていた
  • しかしブロックごとの比例名簿候補者数が足りなかった
  • 結果として、自民党議席を取り切れず
  • 他党が議席を得る形になった

制度上は合法です。
しかし、有権者の感覚から見るとどうでしょうか。

自民党に入れた票が、
他党の議席に見える形で使われている」

こう感じるのは、無理もありません。


「比例」なら党内で繰り上げるのが自然では?

ここで浮かぶ、素朴で合理的な疑問。

比例なら、
同じ党の別ブロック候補を繰り上げるほうが
民意に近いのでは?

有権者は、

こうした区分を意識して投票していません。

意識しているのは、ただ一つ。

「どの政党を支持するか」

それなら、

このほうが、比例代表という言葉の意味に忠実です。


今の制度は「民意の翻訳ミス」を起こしている

今回の問題の本質はここです。

  • 民意は「政党支持」
  • 制度は「地域・惜敗率・名簿構造」で処理
  • 結果、説明しづらい当選が発生する

これは民主主義として危険です。

5分で説明できない制度は、信頼を失う。

建設現場で例えるなら、

設計意図と違う構造物が完成し
「図面通りです」と言われている状態

ルールを守っているかと、
意図を正しく反映しているかは別問題です。


比例選挙は改正が必要ではないか

結論として、こう言えます。

比例代表は、民意に沿う形へ改正すべき段階に来ている。

方向性としては例えば、

  • 全国比例に近づける
  • 比例は純粋に政党単位で処理する
  • 重複立候補・惜敗率を見直す、または廃止
  • 比例名簿を全国一本化する

こうすれば、

自民党に入れた票は、
そのまま自民党議席になる」

という、当たり前の感覚と結果が一致します。


これは思想ではなく、制度設計の話

この問題は、

という話ではありません。

「投票した人の意図を、正確に議席に変換できているか」
ただそれだけの話です。

今回の選挙は、
比例代表という仕組みの限界を
はっきり可視化しました。

次に必要なのは、
誰かを叩くことではなく、
制度を点検し、直すことだと思います。