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SketchUpが建設現場を変える!3Dモデルで「見える化」する時代へ Diary726

はじめに:SketchUpってなに?

SketchUp(スケッチアップ)は、アメリカ発の3Dモデリングソフトで、建築・土木・インテリア・製品設計など、あらゆる分野で使われているソフトです。元々はGoogle社が所有していたことで知られていますが、現在はTrimble(トリンブル)社が提供しており、建設業との親和性がより高くなっています。

特に土木や建築業界においては、「イメージが伝わらない」「図面では分かりづらい」といった課題に対して、SketchUpが強力な解決策になりつつあります。

なぜ建設業にSketchUpが向いているのか?

結論

SketchUpは「施工計画」や「仮設計画」などを3Dで表現することで、現場と設計者、元請と協力会社、そして発注者とのコミュニケーションを劇的に改善できるツールです。

理由

  • 操作が簡単で習得しやすい
  • 無料版でも基本的な3D作図ができる
  • 現場の機器や構造物を実寸で再現できる
  • 見える化」により、事故リスクや作業動線の改善が可能

具体例

  • 足場の配置計画やクレーンの可動範囲の確認
  • ICT施工における出来形の立体比較
  • 住民説明用の資料作成(騒音・日照の影響を可視化)
  • 工程ごとの施工フローを3Dモデルで提示

再び結論

つまり、SketchUpは現場に必要な「誰が見てもわかる」資料を作るための最短ルートなんです。

SketchUpを現場でどう使う?業務別の活用法まとめ

仮設計画の作成に使う

仮囲いや足場、作業員動線、材料の仮置き場など、仮設計画は多くの要素が絡む工程です。従来は平面図と断面図で伝えていた部分を、SketchUpなら3Dで視覚的に表現できます。

要素 表現の例
足場 実寸スケールで何段かを再現し、安全確認
クレーン アームの可動域と搬出ルートを確認
仮設トイレ 作業員動線を考慮した配置検討
資材置場 重機と干渉しない範囲を可視化

重機の配置シミュレーション

重機の配置や作業半径は、現場での安全性や効率性を大きく左右します。SketchUpではバックホウやクレーンのモデルを取り込んで、干渉や接触のリスクを事前にチェックできます。

特におすすめなのが、「3D Warehouse」の活用。世界中のユーザーが共有している重機や建材のモデルを無料でダウンロードできます。

工程ごとの進捗管理

SketchUpには「シーン」機能があり、各工程の3Dモデルを順番に切り替えて表示できます。これを使えば、施工前→掘削後→基礎工完了→上物建方…といった時系列の工程をビジュアルで提示できます。

  • 元請からの工程確認に
  • 協力業者との打合せ用に
  • 発注者への進捗報告に

出来形管理や点群との連携(Pro版以降)

SketchUp Pro以上のバージョンでは、点群データとの連携やCADデータの読み込みが可能です。出来形管理やICT施工との親和性が高いため、施工管理技術者にとっても強力な武器になります。

SketchUpの操作は難しい?初心者向けにポイント解説

SketchUpは他の3Dソフトに比べて操作がシンプルです。覚えるべき基本ツールは以下の6つだけ。

ツール名 役割
線引き(Line) 線を描いて形を作る
押し出し(Push/Pull) 面を立体的に引き出す
移動(Move) オブジェクトを動かす
回転(Rotate) 角度をつけて配置する
スケール(Scale) サイズを調整する
メジャー(Tape Measure) 距離や寸法を測る

学習のコツ

  • まずは公式サイトのチュートリアル動画を見る(日本語あり)
  • 簡単な小屋や倉庫を作る練習から始める
  • 現場で使う設備(仮設トイレ、足場、重機)などをモデリングしてみる

無料版と有料版の違いは?建設業で使うならどれがいい?

バージョン 価格帯 特徴 建設業向き?
Free(Web) 無料 ブラウザ上で軽く使える △(練習用)
Go(サブスク) 月額制 モバイル・タブレット対応 △(現場用)
Pro 年額制(約4万円) CADとの連携、LayOut付き ◎(現場・社内)
Studio 年額制(約12万円) 点群やBIM連携、V-Ray搭載 ◎(ICT対応)

おすすめは「Pro」バージョン。
2D図面と3Dモデルをまとめて資料化でき、施工図や打合せ資料作成に非常に役立ちます。

実際の活用例:SketchUpで変わった現場

例①:仮設足場の事前検討で事故リスクゼロへ

ある現場では、作業足場が狭く、安全帯をかける場所も限定されていました。SketchUpで足場構成を再現し、作業員の動線をチェックしたところ、危険箇所が明確に。結果、仮設設計を見直して事故リスクを事前に排除できました。

例②:重機搬出入ルートの干渉を回避

住宅地の狭い道路を通って現場に入るクレーンの搬出入ルートをSketchUpで再現。住宅との接触や電線との干渉を3Dで確認できたため、クレーンのサイズを変更する判断が早期にできました。

例③:住民説明会でのプレゼンが「わかりやすい」と評判

ダンプ車両の通行ルートや施工中の仮囲いの高さなどを3Dで示したことで、住民説明会でも視覚的に理解してもらえたという現場もあります。模型よりも早く、パワーポイントよりも伝わる。それがSketchUpの魅力です。

最後に:SketchUpは「伝える力」を強化するツール

建設現場では、「わかりづらい」「説明しても伝わらない」ことで時間とコストを失ってきました。
SketchUpはそのギャップを埋める見える化”の力を持っています。

  • 現場でのリスク回避
  • 計画の事前検証
  • 説明資料としての説得力
  • 住民や発注者への安心感

これらをすべて支えてくれるのが、SketchUpというツールなのです。

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